住めばそれなり ごろ日和

黒白猫とその飼い主のごろごろな暮らしをゆる~く発信

トラ猫ミセス・マーフィシリーズ

ミセス・マーフィは納屋をあとにして、台所の窓から中をのぞいた。ハリーはティーポットにお湯を注いでいた―これは彼女が少なくとも一日に二度、繰り返している仕事だった。ミセス・マーフィはそれを見て、こうした日常的な仕事がときには素敵で、好ましく、掛けがえのないものになることに気づき、心を動かされた。自分は幸せだ、この爽やかな秋の日にみんながこうして生きていられるのは本当に幸せなことだとしみじみ思い、満足そうに喉を鳴らした。(トランプをめくる猫―トラ猫ミセス・マーフィ (ハヤカワ・ミステリ文庫)より)

トラ猫ミセス・マーフィシリーズはれっきとしたミステリーなのですが、わたしはどちらかというとミステリーの部分はどうでもよくって、主人公ハリーの暮らしのあれこれを楽しんでいます。現代のアメリカの田舎町が舞台。ハリー(30代半ばの独身女性。離婚歴あり。)は町の郵便局長をしながら農場も経営。経済的にはあまり余裕がないのでおのずと生活はシンプル。だけど、愛すべき友人たちに囲まれ、豊かな人生を過ごしています。ハリーとは対照的な町一番のお金持ちサンバーン家の暮らしぶりの描写も好き。美容院(エステも?)に行くためにニューヨークまでひとっとび、代々伝わる銀の紅茶器セット、朝食は紫色のシルクのガウンにくるまって、メイドさんが運んでくるのをのんびり食べる。こういうのもあこがれます♪ ガーデニングと焼き菓子づくりに情熱を燃やすミランダも好きだなあ。
現在、日本ではシリーズ8作目まで出版されています。本国アメリカではもっとでているらしい。はやく次のが読みたいな。

トランプをめくる猫―トラ猫ミセス・マーフィ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

トランプをめくる猫―トラ猫ミセス・マーフィ (ハヤカワ・ミステリ文庫)