ku:nel ( クウネル ) 2010年 05月号 [雑誌]の記事より。
家の中で大切な空間は、家族の集う居間だと考えた。次に子ども部屋、寝室と続き、主人の書斎は二の次、三の次。「家は、いちばん長い時間を過ごし、家事いっさいを引き受ける人のために建てるもの」と断言した。家作りに関して、施主である一家の主よりも、夫人やメイドに味方する姿勢は、一貫していた。
必要以上に家を豪華に見せる装飾に、お金をかけることは嫌ったが、玄関や風呂場のアクセントに手焼きタイルを使い、毎日触れるドアノブには、クリスタル製を用いるなど、許すかぎり上質の素材を選んだ。
至極当たり前のことのようだけど、こういうことをわかっていない建築家は多い。わたしはヴォリーズさんの建てた家のような家に住みたい。