住めばそれなり ごろ日和

黒白猫とその飼い主のごろごろな暮らしをゆる~く発信

「じゃがいもびいき」


読みかけのまま放置していたのですが、やっと読み終わりました。難しい本ではないので読み出すとはやいんだけど^^;  戸塚真弓さんの本は難しくはないけど、何度も味わうように読み返したくなる文章があちこちにあります。そして、ワインやおいしいものの話が多いので、読んでいる間中しあわせでうっとりすることが多いのだ。

で、「じゃがいもびいき」。じゃがいもとじゃがいも料理(主にフランスでの)についてのあれこれ。じゃがいも料理以外のお料理もちらほら。じゃがいもとバターはとてもあう組み合わせだけど、じゃがいもとオリーブオイルの組み合わせもすばらしいとのこと。うんうん。じゃがいもにもいろいろな種類があるけど、ちゃんとそれぞれの特徴を踏まえて料理して味わう戸塚さん。意識するってことは大切。
北フランスにオパール海岸と呼ばれる一帯があるそうだけど、そこで採れるラットという品種のじゃがいもは、かすかに海の匂いがして大変美味らしいです。そのオパール海岸についての描写の部分を引用します。

あじさい色の海水とベージュ色の砂とが織りなす縞模様がどこまでも静かに美しく広がり、空には白く透けた淡い霞がかかっている。潮が引いた後だった。空と海の境界線を探していると、砂浜の水際を四頭の馬がゆっくりと駆け抜けていった。

美しいですね…。「砂の城*1」に出てくる海辺ってこんな感じじゃないのかなと思います。もっとも、オパール海岸はベルギーに近いらしけれど、「砂の城」はブルターニュの方ですが。

この本を読んだ後はじゃがいもが食べたくなりますね。フランス風のバターで揚げたフライドポテト、一度食べてみたいです。

*1:一条ゆかり作の、フランスを舞台にしたマンガ