大好きな本のうちのひとつ「風をください」(田辺聖子)には、おいしそうな食べ物の描写がたくさんでてきます。(この作品に限らず、田辺聖子さんの文章にはおいしそうな描写が多いと思います。きっとご本人も食べることがお好きなんでしょうね。)そんなおいしそうなもののひとつ、広島菜で巻いたご飯。
ちょうど母のうちへ寄って、もらいものの広島菜をお裾分けしてもらっていたので、その幅広の、青々した葉っぱの、水をぎゅっとしぼって巻き簀の上にひろげる。
「何すんの?」
とワタルは立って来て見てるので、
「まかしといて。音楽でもかけてて」
「ムード出して漬物食べるのか」
広島菜というのは酸っぱくもなく、辛くもなく、 青くさくもなく、それでいて色は青々と漬かってて、 歯切れよく、日本一である。この上に御飯をひろげ、まん中に、黄色い沢庵をこまかく刻んだもの、白ごま、青のり、などを巻きずしのようにならべて、くるくると簀ごと巻き、巻ずしの要領で切ってもいいし、 端からかじってもいい。
これが昔から食べたくて、先日、やっと作ってみました。うちには巻き簀がないので(つまり巻きずしをつくったことはない(^^;))スーパーで巻き簀を買ってきて、いざ! 巻くの、初めてだからあまりきれいにはできなかったです。でも、長い間気になっていたものを食べることができて満足満足でした。
追記:広島菜がまだ残っていたので後日今度はおにぎりにしてみました。内容は上の巻ごはんと同じなんですけど(^^;) 沢庵(田辺先生はこれに「おこうこ」とルビをふってある)と白ごまと青のりを具にしたおにぎりを広島菜でくるみました。こちらの方が簡単ですね。
- 作者: 田辺聖子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2011/03/18
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