田辺聖子さんの本を読んでいると、おなかがすいてきます。田辺さんの描く食事のシーンや食べ物の描写には魅力があります。なんてことないメニューでもとてもおいしそう。
田辺さんの小説「愛してよろしいですか」は大好きな物語のひとつで、もう何十回と読んでいます。その中で主人公スウと年下の恋人ワタルが一緒に食事をするシーンがお気に入り。おいしいものを大好きな人と一緒に食べるってしあわせなんだなあ。
二人が一緒に食べたメニューを書き出してみます。スウの部屋での食事はスウの手料理です。
- ローマのボルゲーゼ公園で
近くの店で買ったきた三日月パン、赤ワインの安もの、カマンベールチーズ、オレンジ
- ローマの終着駅近くの地元の人でにぎわっている小さな店で
スパゲティ・アッレ・ボンゴレ、仔牛のカツレツ、淡いコクのある赤ワイン
- 大阪のイタリー料理店「羅馬」で
どっさり貝が入ったトマトソースのスパゲティ、コーヒー
- 大阪のイタリー料理店「羅馬」で
ニンニクのきいたトマトソースのスパゲティ、鶏の手羽の焼いたの、ピリッと辛いトマトソースのかかった熱々の車えび、冷たいワイン
- ワタルの部屋で
ウイスキーの水割り、ナッツ
- 京都で
冷たいそうめん、お薄、くず饅頭
- 須磨あたりのヨットハーバーの食堂で
カレーライス
- スウの部屋で
シチュー、サラダ、いいハム、塩味のパン、クリームチーズ、大根と厚揚のたいたオカズ、紫蘇御飯のおにぎり、ウイスキー
- スウの部屋で
オニオングラタンスープ(ワタルは食べ損なった。スウも?)
- 入院したワタルのお見舞いに
バニラのゼリー、コーヒーゼリー(スウの手作り)
- スウの部屋の近所の中華料理店で
中華ランチ、ラーメン
- スウの部屋で
八宝菜
- ワタルのバイト先の山陰の民宿で
カニ(スウだけ)
ああ、おいしそう。特にスパゲティが食べたいなあ。
「愛してよろしいですか」は昭和54年が初刊。昭和57年に文庫がでて、わたしは昭和59年の7月に読みました。昔、本を買うと日付を書き込んでいたのでそういうことが今もわかるんです。
- 作者: 田辺聖子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1982/04/20
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最近、また文庫が再編集されて販売されてます。
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前の本がかなりぼろぼろになっていたので買いなおしましたが、解説が昔のは神津カンナ、新しいのは島本理生なんですね。ちがってるんです。だから、古い本を処分しがたくて結局両方本棚に並べています。この話の続編「風をください」でも、おいしい場面がたくさんあります。それはまた今度いつか。